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「かわいくて、やさしい女性」が好き

独身時代には、言ってみれば自分一人のことを考えていればよかった。でも結婚してからはそうはいきません。常に夫のこと、子供が生まれたら子供のことを考えなければならない。舞台には自分一人でなく相手役がいるのです。どんな名女優でも自分勝手に動きまわっては芝居がなりたたないといいます。相手役との呼吸がうまく合ってこそ、芝居が盛り上がるのです。夫婦や家庭生活も同じこと。自分が今、どういう動きをし、どういうセリフをはけば相手がうまく乗ってくるか。その判断が何より大事です。しかもそこには台本がない。一瞬一瞬の勝負です。たったひとつのセリフ、たったひとつの動きで舞台がくるりと回転してしまうこともあるのです。名演技を期待される理由がそこにあります。「そんな、演ずるなんていやだわ。わざとらしいし、うまくできそうもない……」そう思うなら、こう考えてみてください。古今東西、男性は「かわいくて、やさしい女性」が好きです。でもこの乱世、女もかわいてやさしいだけでは間違いなく破滅します。