旅館、ホテルなどを営む事業者には、ごみ問題どころではない深刻な事情がある。観光客は全盛期の1965年ごろから徐々に減少。1974年の伊豆半島沖地震やバブル崩壊という逆境を乗り越え、やや持ち直し、何とか横ばい状態になった。それでも2000年以降はなだらかな下降線をたどっている。バブルの崩壊後、店をたたんだ旅館やホテルが相次ぎ、マンションは空室だらけになった。それが、やっと落ち着きを取り戻したという状態なのである。全国各地で温泉地がメディアなどを通じてしのぎを削っているなか、市の事業者も梅祭りや花火大会などさまざまなイベントを企画して、観光客集めに余念がない。バブル崩壊後は市長の方針で、市は旅館やホテル、土産物店などが出す事業系のごみも、家庭ごみと同様にすべて無料で収集してきた。家庭ごみと一緒に回収するため、事業系ごみの割合は正確にはわからないが、全体の約6割を占めると言われている。1人当たりのごみ量を算出する場合には、商店など小さな事業所が出すごみは、家庭から出るごみと一緒にして計算する。だから、各家庭が、分別をしっかり行って、ごみ減量に努力しても、店や旅館がたくさん出せば、その努力はムダに終わってしまうのだ。その点では、東京23区も、家庭ごみよりもオフィスや商店から出るごみの割合が高く、熱海市とよく似ている。京都市もそうだ。京都市は、家庭から出すごみは、政令指定都市の中ではすごく少ない。しかし、それ以外のごみが多いから、ごみの全体量を人口で割ると、1人1日当たり1252グラムにもなる。