さまざまなシーンを光と色で彩るデジタルカラーライティングの最大の特徴は、マイクロチップを搭載し、赤・緑・青(RGB)のLEDを光源とする照明器具にある。3原色の光の強さを個別に調節し、1670万種類の色(コンピューターのモニターで再現できるフルカラー)を表現することができる。一般にLED照明は、低輝度領域での滑らかな光の変化を不得意とする。そこでカラーキネティクス社は、制御技術によって発光の急激な立ち上がりを抑え、低輝度領域でも自然に見える調光を可能にした。プロダクトチームマネージャーの島原正稔氏は、「これは、デジタルの光の見え方を、アナログの光に限りなく近づける技術です」と説明する。コントローラー、電源なども含む独自のハードウェアをそろえると同時に、時間軸に沿って光のシーンを組むためのソフトウェアも、カラーキネティクス社はいち早く開発してきた。専用コントローラーとそのソフトウェアの併用により、あらかじめ組んだ光のシーンを、いつでも、どこでも再現できる。ソフトウェアはパソコン上でアイコンを並べながら直感的に操作できるもので、作業の効率も良い。照明の設置現場にパソコンをもち込み、その場で演出を調整できるため、繊細な表現を求めるデザイナーやアーティストたちから高く評価されている。このように、LEDという光源がもつ潜在力を最大限に引き出しだのが、カラーキネティクス社が生み出したデジタルカラーライティングだ。しかも、光と色の自在な操作を可能とするために、それまでに存在していたいくつもの制約−色数、大きく重い機材、運用の複雑さなどといった制約を軽やかに飛び越えてきた。誰もが光と色の表現を楽しめる世界を、これからも切り開いていくだろう。