不動産投資は、購入物件の選定をしくじれば、長い間、苦しむことになる。具体的な方法は、前著に著したので、ここでは簡単に説明するが、事業用物件選定方法の3原則である(A)相場的価値の積算方式、(B)収益還元価格、(C)専有面積単価比較法による価格を、それぞれ計算して割り出すようにする。これは不動産価格を角度を変えて試算することにより、不動産価格が客観的に見えてくる手法である。例えば、50坪の土地に100坪の建物が建っていたとする。築年数は10年、―戸あたり10万円の賃料で10戸貸しているとする。そして一戸あたりの専有面積(実際に賃貸で貸せている面積)が9坪とする。この場合、(A)相場的価値の積算方式としては、土地の価格が坪当たり120万円としたとき、土地は50坪であるから6000万円、建物は鉄筋コンクリートで一坪あたり57万2千円程度をかけ、耐用年数60年の残存年数、つまりこの物件であれば築年数が10年だから残存年数50年で計算すると((100坪×57万2千円)÷60年)×50年=4760万円という金額になる。したがって、土地建物の合計は1億760万円という金額になる。金融機関の評価基準は、概ねこの計算で行っているようである。